ここではいかに安く搭乗するかについて考えてみたいと思います。なお、対象は全日空の国内線に搭乗するときのものです。


[運賃を選ぶ]

 まずは、どのような運賃があるかを知っておく必要があります。

1.普通運賃

 言わずと知れた基本運賃です。一番高いですが、発行日より90日間は予約の取り消し、変更や同一区間の場合航空会社の変更が自由にできます。予約を変更する可能性がある場合は高いですが普通運賃を検討するのもいいと思います。

2.往復割引運賃

 同一区間を90日以内に往復する場合、普通運賃の2倍から割引した運賃が適用されます。予約・購入時に往復の航空券を買う必要があります。普通運賃同様、予約の変更や同一区間の場合航空会社の変更が自由にできます。往復確実に利用する場合で予約の変更の可能性がある場合は往復割引運賃を検討するのもいいと思います。

3.スーパーシート運賃

 スーパーシート利用時に適用される運賃です(スーパーシートプレミアム運賃)。発行日より90日間は予約の取り消し、変更が自由にできます。予約を変更する可能性がある場合は高いですが検討するのもいいと思います。

4.回数券

 同一区間を複数回搭乗する場合、回数券を購入すると、普通運賃と同条件で運賃が安くなります。なお利用できない期間があります。

5.早期購入割引

 搭乗28日前までに予約すると割引になります(旅割)。予約の変更はできず、払い戻しの場合も普通運賃よりも高い手数料が取られます。座席数も限りがあります。また利用できない期間もあります。一度予約・購入た便にはどんなことがあっても変更せずに搭乗するという場合は選択肢の中に入れてもいいと思います。

6.スーパーシート運賃早期購入割引

 搭乗7日前までにスーパーシートを予約すると割引になります(スーパーシートプレミアム特割)。予約の変更ができす、座席数も限りがあります。一度予約・購入た便にはどんなことがあっても変更せずに搭乗するという場合は選択肢の中に入れてもいいと思います。

7.特定便割引

 特定の便に限り割引になる運賃です(特割)。予約の変更はできませんが、早期購入割引と違い、搭乗日の前日(または7日前まで)まで予約を受け付けます。また払い戻し手数料も普通運賃並と使い勝手は早期購入割引よりもいいです。搭乗当日になって便変更をしない場合は、特定便割引を選択肢に入れていいと思います。ちなみに私が搭乗する時はほとんど特定便割引を利用します。

8.特定日割引

 平成19年1月1日、1月24日〜30日、2月14日〜20日、3月2日〜8日に搭乗する場合に適用させる運賃です(超割)。1区間9,000〜17,000円です。どの区間にも適用されます。発売日および座席数に限りがあります。

9.チケットレス割引

 航空券をチケットレスで購入すると2パーセント程度割引になります。

10.いっしょにマイル割引

 ANAマイレージクラブ会員と同時に利用する場合、会員が10,000マイルを使用すると同行者(3名まで)は往復20,600円で利用できます。どの区間にも適用されます。期間・発売日(搭乗日の14日前から4日前まで)および座席数に限りがあります。


[特定便割引を利用する]

 普通運賃が高くなってしまいましたので、特定便割引を上手に使うことが必要になってきます。そこで時間がある人におすすめなのが、乗り継ぎを利用することです。

 例として羽田−宮崎間を考えてみます。(平成12年4月1日〜27日の場合に適用されました。現在は適用されません。)羽田−宮崎間は3社あわせて9往復ありますが、羽田発宮崎行きの昼までの便と、宮崎発羽田行きの各社の最終便以外は特定便割引の対象になっておらず、片道31,000円、往復52,900円かかります。例えば羽田を夕方に出て宮崎に2泊、最終日の夕方に羽田に帰りたいときに、羽田−福岡間を往復特割を利用し、福岡−宮崎間を特割を利用すると、往復52,000円で利用できます。

全日空

日本エアシステム

羽田

17:00

18:40

福岡

羽田

17:05

18:45

福岡

福岡

19:15

19:55

宮崎

福岡

19:20

20:00

宮崎

宮崎

11:00

11:45

福岡

宮崎

12:40

13:25

福岡

福岡

13:20

14:50

羽田

福岡

13:50

15:20

羽田

 また、羽田を午後に出て宮崎に2泊、最終日の午後に羽田に帰る場合は、羽田−伊丹間を特割を利用し、伊丹−宮崎間を特割を利用すると、往復44,800円で利用できます。(平成12年4月10日〜27日の月〜木曜日の場合に適用されました。現在は適用されません。)

羽田

15:00

日本航空105便

16:00

伊丹

伊丹

17:25

JALエクスプレス671便

18:30

宮崎

宮崎

10:55

JALエクスプレス672便

11:55

伊丹

伊丹

12:30

全日空24便

13:35

羽田

 いろいろ制約はありますが、事前購入割引運賃を利用できないときなど特定便割引を上手に利用できれば、上記のように乗り継ぎでも安くいけることがありますので、一度考えてみてはいかがでしょうか。


青春18きっぷを利用する]

 時間がある人で春休み・夏休み・冬休みにおすすめなのが、「青春18きっぷ」を使い、別の空港から搭乗することです。「青春18きっぷ」とは春休み・夏休み・冬休みの期間発売されているJRの普通列車に乗り放題の切符で、5日分(5回分)11,500円です(1回当たり2,300円です)。これを使い、別の空港まで行き、そこから搭乗することによって、結果的にトータルの運賃を安くしようということです(勿論マイルは少なくなりますが、「青春18きっぷ」をANAカードで購入すれば、115マイル稼げます)。私が平成12年1月1日に実践した例を上げてみます(なお私の場合、出発地はJR広島駅ではありませんが、分かりやすくするためにJR広島駅出発としています)。

広島 12:55 13:58 三原
三原 14:17 17:16 姫路
姫路 17:28 18:29 大阪
大阪 18:33 19:44 関西空港
関西 20:55 22:10 羽田

運賃を比較すると

普通に広島空港から搭乗する 青春18切符を使い関西空港から搭乗する
広島(高速バス)広島空港 1,300円 青春18切符 2,300円
広島(特定便割引)羽田 17,000円 関西(特定便割引)羽田 11,000円
18,300円 12,300円

となります。実際には羽田から目的地の最寄りの駅までJRを利用すればもっと差は大きくなります。もう一つ例を上げておきます(例は平成12年3月17日〜31日の平日です)。

仙台 10:00 11:21 福島
福島 11:33 12:19 郡山
郡山 12:45 13:49 黒磯
黒磯 13:55 14:45 宇都宮
宇都宮 14:48 16:34 上野
上野 16:42 17:00 品川
品川 17:12 17:33 羽田空港
羽田 18:40 20:05 広島

 この時期は仙台−広島は1日2便、しかも特定便割引がないため運賃は27,700円になります。一方、「青春18きっぷ」を使用した場合は特定便割引が予約できれば、19,700円で行くことができます(「青春18きっぷ」および京浜急行運賃を含む)。時間はかかりますが、仙台−広島間の便が10:00仙台発の後が18:05仙台発19:50広島着ですので10:00仙台発に乗れなかった場合、次の広島行きが広島に到着する時間とほとんど変わらない時間に広島空港に到着できます。

 普通列車しか利用できませんので時間はかかりますし、特定便割引がある区間に行く必要がありますのでトクする区間を見つけるのは大変ですが、検討してみてはいかがでしょうか。


[バスを利用する]

 青春18きっぷが使用できるのは春休み・夏休み・冬休みに限られます。それ以外で安く行く方法は特定便割引がある区間までは飛行機で行き、そこからバスで行くという方法もあります。ただしこれも時間がある人に限られます。

 例として羽田−熊本間を考えてみます。(平成13年2月1日〜3月15日(除く2月10日〜2月12日)の場合に適用されました。)羽田−熊本間は3社あわせて11往復ありますが、特定便割引を利用しても片道22,000円、往復44,000円かかります。例えば羽田を昼に出て熊本に2泊、最終日の昼前に熊本を出たいときに、羽田−福岡間を特割を利用し、福岡−熊本間をバスを利用すると、往復40,100円で利用できます。

羽田

11:35

日本航空359便

13:20

福岡

福岡

13:46

高速バス

15:41

熊本

熊本

11:35

高速バス

13:28

福岡

福岡

14:10

日本航空362便

15:35

羽田

 時間はかかりますし、特定便割引がある区間に行く必要がありますのでトクする区間を見つけるのは大変ですが、検討してみてはいかがでしょうか。

[チケットレス割引を利用する]

 平成13年6月1日より導入のチケットレス割引。これは航空券をチケットレスで購入すると2パーセント程度割引になります。私のようにほとんど航空券をチケットレスで購入する人にとっては非常に嬉しいです。


[特定日割引を考える]

 平成12年2月17日から特定日割引(全日空では「超割」の名称)が発売になりました。売れ行きは上々のようです。この運賃、航空会社・利用者ともにメリットがあったと思います。航空会社にとっては、この運賃がなければおそらく満席にはならなかったであろう便が、この運賃のおかげで満席になった便があったと思います(何せ300人が1便に搭乗すれば、特定日割引運賃でも最高500万円以上の売上になります)。利用者にとっても、往復3万円以内でしたらどこかへ行こうという気になった人がいると思われます。できれば通常期は何らかの形で全便にこの運賃を適用できるようにしてほしいものです。例えば日本エアシステムで実施していた「売出日割引」のように売り出し初日のみに適用するとか、記名式の回数券(この場合、90日間で12枚綴り(1月2往復)くらいの条件になると思われます)で1枚1万円にするとか手はいろいろあると思います。ぜひ実現してほしいものです。何せ平成12年4月より普通運賃は約15パーセント値上げになったのですから。

 平成13年2月13日にこの特定日割引を予約しました。9時30分から10時までにインターネットで予約を試みましたが予約のページに進めず、あえなく断念しました。所要から帰った後の12時40分ごろ、もう一度インターネットで予約を試みました。今度はゆっくりでしたが予約の画面に接続することができ、無事に予約することができました。


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