[どのような切符か]

・目的地で自由に乗り降りできる「ゾーン券」に「ソーン券」の入口駅までの切符(「ゆき券」と言います)と「ソーン券」の出口駅からの切符(「かえり券」と言います)を組み合わせたものです。

・出発・帰着地は同一である必要があります。「ゆき券」および「かえり券」の営業キロは201キロ以上ないといけません。

・「ゆき券」および「かえり券」の経路は自由です。

・北海道・四国・九州の各ゾーンへは片道に限り航空機を利用できます。

・周遊ゾーン内では乗り降り自由です。「ゆき券」および「かえり券」でも途中下車できます(特定市内発着の場合で、特定市内に属している駅は除く)。

・周遊ソーン内では、特急(新幹線含む)・急行・快速・普通列車の自由席が追加料金なしで利用できます。「ゆき券」および「かえり券」で特急・急行を利用する場合は特急券・急行券が必要です。「ゆき券」・「かえり券」・「ゾーン券」いずれも特急・急行・快速・普通列車の指定席(グリーン席)利用の場合は、指定席券(グリーン券)の他に特急券・急行券が必要です。

[発売・有効期間]

 通年発売です。有効期間は最高「ゆき券」の有効期間+「かえり券」の有効期間+3日間です。なお「ソーン券」の有効期間は5日間です。「ゆき券」の有効期間内に「ソーン券」を使用しなくてはいけません。また「ソーン券」の有効期間内に「かえり券」を使用しなくてはいけません。

[値段]

 「ゆき券」+「かえり券」+「ゾーン券」です。「ゆき券」および「かえり券」は普通運賃の20パーセント(学割は30パーセント)引きです。なお、「ゆき券」および「かえり券」に東海道新幹線を利用する場合で、「ゆき券」・「かえり券」の営業キロが201キロ〜600キロの場合は普通運賃の5パーセント(学割は20パーセント)引きです。航空機利用の場合は普通運賃・事前購入割引・特定便割引が利用できます。

[利用方法]

 2つのゾーンを取り上げて考えてみたいと思います。一つは「広島・宮島ゾーン」です。千葉からの運賃を計算してみます。

  往復運賃 周遊きっぷ
岩国 21,540円 23,140円(山陽新幹線経由)
22,640円(山陽本線経由)
22,640円(呉線経由)
三段峡 22,120円 23,140円(山陽新幹線経由)
22,640円(山陽本線経由)
22,640円(呉線経由)
甲立 21,540円 23,140円(山陽新幹線経由)
22,640円(山陽本線経由)
22,640円(呉線経由)

 ご覧のように、目的地までただ単に往復する場合は、周遊きっぷの方が高くつきます。この場合は、ゾーン内で乗り降りしないと元はとれません(例えば広島往復をする)。

 もう一つは「札幌・道北ゾーン」です。これも千葉からの運賃を計算してみます。

  往復運賃 周遊きっぷ
札幌 25,880円 31,500円
稚内 31,160円 31,500円

 札幌までですと「広島・宮島ゾーン」と同様、ゾーン内で乗り降りしないと元はとれません。しかし目的地が稚内の場合は、周遊きっぷ内では特急自由席は特急券なしで乗れますので、周遊きっぷの場合は札幌−稚内往復の自由席特急料金5,040円を払わなくてもいいことになります。これを加味すると、

  往復運賃 周遊きっぷ
稚内 36,200円 31,500円

となり、単なる稚内往復でも周遊きっぷでトクをすることになります(もちろん東京−札幌間は特急・急行を利用することになりますので、その分は別に払わなくてはいけません)。

 このようにソーン内で乗り降りしなくてはいけないものからただ単に往復するだけでトクをする場合もあります。本当に「周遊きっぷ」がトクなのかは自分の行程を考えてみてから購入するようにしたほうがいいと思います。